洗濯マグちゃん

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本日衝撃的なニュースが飛び込んできました。「洗濯マグちゃん」ってご存知でしょうか?洗濯時にマグネシウムを使用することで洗剤や柔軟剤を減らすことができるなどとうたっていた商品のことです。ここ1年ほど洗濯のたびにマグちゃんを投入していました。綺麗好きな性格なので洗剤は普通に使用していましたが、仕上がりが綺麗になっているように思えてたのは何故でしょう(笑)。下図は我が家のマグちゃんです。
話は変わりますが酸化マグネシウムという緩下剤があります。安価で用量調整がしやすく習慣性がないことから我が国の『慢性便秘症診療ガイドライン2017』でも推奨レベルは1でエビデンスレベルAに位置づけられています。このマグネシウム製剤の歴史は古く、1823年にシーボルトが長崎に来日した際に持ち込んだともいわれています。酸化マグネシウムは胃内で胃酸と反応し小腸で炭酸マグネシウムや重炭酸マグネシウムとなり、これらが浸透圧の関係で水分を吸収し体積を増大させることで排便を促す薬剤です。最近では逆流性食道炎や薬剤による胃潰瘍予防に胃酸分泌抑制剤を投与されている患者さんが多いため、酸化マグネシウムの効果が低下し用量の増加が見られます。このマグネシウム過剰摂取以外にも血中のマグネシウムは腎臓で排泄されるため腎機能障害を認める場合(糖尿病などの合併症や腎臓摘出後、生理的に腎機能が低下しやすい高齢者など)に長期間使用することで血中マグネシウム値が上昇し高マグネシウム血症を来たすこともあります。高マグネシウム血症は意識障害や致死性不整脈を来すため注意が必要です。したがって上記に該当される方は市販の便秘薬でマグネシウム製剤を使用する際には必ずかかりつけ医と相談するようにしましょう。