半月体形成性糸球体腎炎について

半月体形成性糸球体腎炎は、糸球体の中に「半月体」と呼ばれる細胞の塊が形成される重症の腎炎です。急速進行性糸球体腎炎(RPGN)の代表的な疾患で、週から月単位で急速に腎機能が低下していきます。
治療が遅れると腎機能が回復しなくなることがあります。血尿や尿量減少、むくみ、全身倦怠感などの症状が急に現れた場合は、早めに受診することが大切です。健診で腎機能の急激な悪化を指摘された方も、すぐにご相談ください。
緊急性の高い腎臓病です
早期に発見して治療を開始しないと、短期間で腎不全に至り、透析が必要になることがあります。血尿や蛋白尿に加え、むくみや尿量減少、全身倦怠感などの症状がある場合は、すぐに医療機関を受診してください。
適切な治療で改善が期待できます
重症の腎炎ですが、早期に診断して免疫抑制療法を開始すれば、腎機能の回復が期待できます。気になる症状がある方は、大阪市城東区今福鶴見のかねみつクリニックへご相談ください。
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など
半月体形成性糸球体腎炎の分類
原因によって3つの型に分類されます。型によって治療方針が異なるため、正確な診断が重要です。
Ⅰ型(抗糸球体基底膜抗体型)
糸球体基底膜に対する自己抗体(抗GBM抗体)が原因で起こります。肺出血を伴う場合はGoodpasture症候群と呼ばれます。若年男性と高齢者に多くみられます。
Ⅱ型(免疫複合体型)
免疫複合体が糸球体に沈着して起こります。ループス腎炎、IgA腎症、感染後糸球体腎炎などに伴って発症します。
Ⅲ型(ANCA関連型)
ANCA(抗好中球細胞質抗体)という自己抗体が関与します。ANCA関連血管炎の一部として発症することが多く、高齢者に多い傾向があります。最も頻度の高い型です。
半月体形成性糸球体腎炎の原因
自己免疫の異常が関与しています
多くの場合、免疫システムの異常により自分の腎臓を攻撃してしまうことで発症します。糸球体に強い炎症が起こり、ボウマン嚢内に細胞が増殖して半月体を形成します。
基礎疾患に伴うこともあります
全身性エリテマトーデス(SLE)やIgA腎症、ANCA関連血管炎などの基礎疾患に伴って発症することがあります。感染症がきっかけとなることもあります。
半月体形成性糸球体腎炎の検査・診断
尿検査
血尿と蛋白尿を認めます。尿沈渣では赤血球円柱がみられることが特徴的です。
血液検査
腎機能(クレアチニン、eGFR)の急速な悪化を確認します。ANCA、抗GBM抗体、補体、抗核抗体などを測定し、型の分類に役立てます。炎症反応(CRP)の上昇もみられます。
腎生検
確定診断には腎生検が必須です。糸球体の50%以上に半月体が形成されている場合に診断されます。腎生検が必要な場合は、速やかに連携医療機関へご紹介いたします。
半月体形成性糸球体腎炎の治療方法
免疫抑制療法
ステロイドパルス療法(大量のステロイドを点滴する治療)を行い、その後経口ステロイドを継続します。シクロホスファミドなどの免疫抑制薬を併用することが一般的です。
血漿交換療法
Ⅰ型(抗GBM抗体型)や重症例では、血漿交換療法を行い、病因となる抗体を除去します。
透析
腎機能が著しく低下している場合は、透析が必要になることがあります。治療により腎機能が回復すれば、透析から離脱できる場合もあります。
専門医療機関との連携
緊急性の高い疾患のため、疑われる場合は速やかに連携医療機関へご紹介し、専門的な検査・治療を受けていただきます。治療後のフォローアップは当院で継続して行います。
