微小変化型ネフローゼ症候群について

微小変化型ネフローゼ症候群は、ネフローゼ症候群の原因となる代表的な疾患の1つです。大量の蛋白尿により、むくみや低アルブミン血症を引き起こします。
小児に最も多いネフローゼ症候群です
小児のネフローゼ症候群の約80%を占め、2~6歳に発症のピークがあります。成人でも発症することがあり、成人ネフローゼ症候群の約20~30%を占めます。
ステロイドが効果的です
ステロイド治療に対する反応が良好で、多くの場合は治療により蛋白尿が消失します。ただし再発しやすい傾向があり、長期的な経過観察が必要です。気になる症状がある方は、大阪市城東区今福鶴見のかねみつクリニックへご相談ください。
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大量の蛋白尿が特徴です
1日3.5g以上の大量の蛋白尿が出ることが特徴です。尿中に蛋白質が漏れ出るため、血液中のアルブミン(蛋白質)が減少し、むくみが生じます。
顕微鏡でも変化がみられません
「微小変化型」という名前の通り、通常の光学顕微鏡で腎生検の組織を観察しても糸球体にほとんど変化がみられません。電子顕微鏡で詳しく観察すると、足細胞(ポドサイト)の足突起が癒合している所見が確認されます。
血尿や腎機能低下は通常みられません
他の糸球体疾患と異なり、血尿を伴うことは少なく、腎機能も正常に保たれていることがほとんどです。
微小変化型ネフローゼ症候群の原因
原因は完全には解明されていません
免疫システムの異常が関与していると考えられていますが、詳しい原因は分かっていません。T細胞(免疫細胞の一種)の機能異常により、糸球体の足細胞が障害されると推測されています。
誘因となるもの
上気道感染(風邪など)、アレルギー、予防接種、蜂刺されなどがきっかけで発症・再発することがあります。一部の薬剤や悪性腫瘍に伴って発症することもあります。
微小変化型ネフローゼ症候群の検査・診断
尿検査
大量の蛋白尿を認めます。血尿は通常みられないか、あっても軽度です。
血液検査
低アルブミン血症(血清アルブミン3.0g/dL以下)と高コレステロール血症がみられます。腎機能(クレアチニン、eGFR)は通常正常です。
腎生検
成人の場合、確定診断のために腎生検を行うことがあります。光学顕微鏡では糸球体に明らかな変化がなく、電子顕微鏡で足突起の癒合を確認します。小児では典型的な経過をたどる場合、腎生検を行わずにステロイド治療を開始することもあります。
微小変化型ネフローゼ症候群の治療方法
ステロイド治療
プレドニゾロン(ステロイド)の内服が第一選択です。多くの場合、治療開始から1~2週間で蛋白尿が消失し始めます。小児では約90%、成人でも約80~90%がステロイドに反応します。効果が確認された後、徐々に減量していきます。
免疫抑制薬
ステロイドで効果が不十分な場合や、頻回に再発する場合、ステロイドの副作用が問題となる場合は、シクロスポリンやシクロホスファミドなどの免疫抑制薬を併用します。
対症療法
むくみに対しては利尿薬を使用します。塩分制限も重要です。高コレステロール血症に対してはスタチン系薬剤を使用することがあります。
感染症予防
ステロイドや免疫抑制薬を使用している間は感染症にかかりやすくなるため、注意が必要です。
経過と予後
再発しやすい病気です
微小変化型ネフローゼ症候群は治療によく反応しますが、約半数以上が再発するとされています。特に小児では再発を繰り返すことが多いです。再発時も通常はステロイドが有効です。
長期的な予後は良好です
適切な治療と経過観察を続ければ、腎不全に至ることは稀で、長期的な予後は良好です。多くの小児患者は成長とともに再発しなくなります。
定期的な経過観察が大切です
再発の早期発見のため、定期的な尿検査が重要です。ご自宅で尿蛋白をチェックする試験紙を使った自己管理も有効です。
