精巣捻転・停留精巣・遊走精巣について
精巣(睾丸)の位置や状態に関わる病気です
精巣捻転は、精巣(睾丸)への血管を含む精索がねじれて血流が途絶える病気です。突然の激しい痛みが起こり、6時間以内に治療しないと精巣(睾丸)が壊死するリスクがある緊急疾患です。
停留精巣は、精巣(睾丸)が陰嚢内まで下降せず、お腹の中や鼠径部にとどまっている状態です。新生児男児の約3~5%にみられ、放置すると将来の不妊や精巣がんのリスクが高まります。
遊走精巣は、精巣(睾丸)が陰嚢と鼠径部を行き来する状態で、移動性精巣とも呼ばれます。多くは成長とともに自然に改善します。
いずれも泌尿器科専門医による適切な診断と治療が重要ですので、異常をお感じの際は大阪市城東区今福鶴見のかねみつクリニックへご連絡ください。
こんなお悩みはありませんか?
- 突然、陰嚢に激しい痛みが起こった
- 陰嚢が腫れている、赤くなっている
- 子供の陰嚢に精巣(睾丸)がない
- 精巣(睾丸)が陰嚢と鼠径部を行ったり来たりする
- 健診で停留精巣を指摘された
など
各疾患の特徴
精巣捻転の特徴
精巣(睾丸)に血液を送る精索がねじれ、血流が途絶える病気です。突然の激しい陰嚢の痛みで発症し、陰嚢が腫れて赤くなります。吐き気や嘔吐を伴うことも多いです。
新生児期と思春期(10~15歳ごろ)に多くみられます。睡眠中に発症することもあります。6時間以内に血流を回復させないと精巣(睾丸)が壊死してしまうため、夜間や休日であっても緊急で受診する必要があります。
停留精巣の特徴
胎児期に精巣(睾丸)はお腹の中から陰嚢へと下降しますが、この過程で下降が止まってしまった状態です。片側のみのことが多いですが、両側に起こることもあります。放置すると不妊の原因になるほか、精巣がんのリスクも上昇します。
遊走精巣の特徴
精巣(睾丸)が陰嚢と鼠径部を移動する状態です。精巣(睾丸)を引き上げる筋肉(精巣挙筋)の反射が強いために起こります。寒冷刺激を受けた時や緊張した時に精巣(睾丸)が上がりやすく、リラックスしている時や入浴時には陰嚢内に戻ります。
病的な状態ではないことが多く、成長とともに自然に改善することがほとんどです。
各疾患の原因
精巣捻転の原因
精巣(睾丸)を陰嚢内に固定している組織の付着異常(ベル・クラッパー変形)が背景にあることが多いです。激しい運動や外傷がきっかけになることもありますが、睡眠中など安静時に発症することも少なくありません。
停留精巣の原因
胎児期の精巣下降の過程で何らかの障害が起こることが原因です。ホルモンの異常や、精巣(睾丸)・周囲組織の異常が関与していると考えられています。精巣(睾丸)の下降が完了する前に生まれてくる早産児に多くみられます。
遊走精巣の原因
精巣挙筋の反射が過敏であることや、精索の可動性が大きいことが原因です。多くは病的な状態ではなく、成長に伴い改善します。
各疾患の検査・診断
精巣捻転の検査
発症からの時間が非常に重要です。痛みの始まった時間、経過を詳しくお聞きします。精巣(睾丸)の位置や腫れを確認し、超音波検査(エコー検査)で精巣(睾丸)への血流を評価します。精巣捻転が強く疑われる場合は、検査より手術を優先することもあります。
停留精巣の検査
視診と触診で精巣(睾丸)の位置を確認します。エコー検査で精巣(睾丸)の位置やサイズを評価します。触診で精巣(睾丸)が見つからない場合は、腹腔鏡検査やMRI検査が行われることもあります。
精密検査が必要な場合には、連携する専門機関をご紹介いたします。
遊走精巣の検査
温かい環境でリラックスした状態で診察し、精巣(睾丸)の位置を確認します。精巣(睾丸)を陰嚢内に引き下ろせるかどうかが、停留精巣との鑑別ポイントになります。
各疾患の治療方法
精巣捻転の治療
緊急手術が必要です。手で捻転を戻す用手的整復を試みることもありますが、手術による治療が確実です。
手術では捻転を解除し、精巣(睾丸)を陰嚢内に固定します(精巣固定術)。精巣(睾丸)がすでに壊死している場合は、精巣(睾丸)を摘出します。反対側の精巣(睾丸)も同様の構造であることが多いため、予防的に固定することが一般的です。
停留精巣の治療
生後1歳までに自然に下降しない場合は、手術を検討します。精巣固定術で精巣(睾丸)を陰嚢内に固定します。一般的に1~2歳ごろまでに手術を行います。早期に手術することで、将来の不妊や精巣がんのリスクを軽減できます。
遊走精巣の治療
多くは経過観察で問題ありません。定期的に精巣(睾丸)の位置を確認し、成長とともに改善するかを見守ります。成長しても改善しない場合や、停留精巣の状態に移行する場合は手術を検討します。
