ナットクラッカー症候群・馬蹄腎・膀胱尿管逆流症について
腎臓や尿路に関わる疾患です
ナットクラッカー症候群・馬蹄腎・膀胱尿管逆流症は、腎臓や尿路に関わる疾患です。ナットクラッカー症候群は、左腎静脈が血管に挟まれて圧迫される病気です。馬蹄腎は、左右の腎臓が下部で繋がっている先天性の形態異常です。膀胱尿管逆流症は、膀胱から尿管・腎臓へ尿が逆流する病気で、小児に多くみられます。
いずれも症状がなく健診や画像検査で偶然発見されることがあります。適切な診断と経過観察、必要に応じた治療が大切ですので、まずは大阪市城東区今福鶴見のかねみつクリニックへご相談ください。
こんなお悩みはありませんか?
- 血尿が出る(肉眼的血尿、健診での指摘)
- 左側の腰や脇腹に痛みがある
- 子供が尿路感染症を繰り返す
- 健診で腎臓の形態異常を指摘された
- 原因不明の血尿が続いている
など
各疾患の特徴
ナットクラッカー症候群の特徴
左腎静脈が大動脈と上腸間膜動脈という2本の血管に挟まれて圧迫される病気です。「くるみ割り器(ナットクラッカー)」のように血管が挟まれることからこの名前が付きました。
やせ型の若年者、特に10~20代に多くみられます。血尿が主な症状で、肉眼で見える血尿から、検査で初めてわかる顕微鏡的血尿まで様々です。左側の腰痛や側腹部痛を伴うこともあります。男性では左精索静脈瘤を合併することがあります。
馬蹄腎の特徴
左右の腎臓が下の部分(下極)で癒合し、U字型(馬蹄の形)になっている先天性の形態異常です。約400~600人に1人の頻度でみられます。
多くは無症状で、画像検査で偶然発見されます。腎臓の位置が通常より低いため、尿の流れが悪くなりやすく、尿路感染症、尿路結石、水腎症を合併しやすい傾向があります。
膀胱尿管逆流症の特徴
排尿時に膀胱から尿管・腎臓へ尿が逆流する病気です。乳幼児や小児に多く、繰り返す尿路感染症の原因として重要です。
逆流の程度によりグレードⅠ~Ⅴに分類されます。発熱を伴う尿路感染症を繰り返すことが多く、放置すると腎臓に瘢痕ができて腎機能が低下するリスクがあります。軽度の場合は成長とともに自然に治ることが多いです。
各疾患の原因
ナットクラッカー症候群の原因
解剖学的な血管の位置関係が原因です。やせている人は腹部の脂肪が少なく、血管が圧迫されやすくなります。急激な体重減少がきっかけになることもあります。成長期に発症しやすいのが特徴です。
馬蹄腎の原因
胎児期の腎臓の発生過程で、左右の腎臓が癒合して起こります。先天性の形態異常で、遺伝性があるかどうかは明らかになっていません。
膀胱尿管逆流症の原因
膀胱と尿管の接合部の構造が生まれつき未熟なために起こります。通常、尿管は膀胱の壁を斜めに通り、逆流を防ぐ弁のような働きをしていますが、この構造が不十分だと尿が逆流します。神経因性膀胱や下部尿路の閉塞に伴って二次的に起こることもあります。
各疾患の検査・診断
ナットクラッカー症候群の検査
尿検査で血尿や蛋白尿の有無を確認します。超音波検査(エコー検査)で左腎静脈の拡張を調べます。CT検査やMRI検査で血管の走行や圧迫されている部位を詳しく評価します。CTやMRIなどによる精密検査が必要な方には、連携する専門機関をご紹介いたします。
馬蹄腎の検査
エコー検査で腎臓の形態を確認します。CT検査で癒合部の状態や合併症の有無を評価します。腎機能検査も行います。
膀胱尿管逆流症の検査
尿検査で感染の有無を調べます。エコー検査で腎臓の腫れや形態を確認します。排尿時膀胱尿道造影(VCUG)という検査で、実際に逆流が起きているかどうか、グレードはどの程度かを確認します。腎臓に瘢痕ができていないか核医学検査で評価することもあります。
各疾患の治療方法
ナットクラッカー症候群の治療
多くは経過観察で改善します。特に成長期の若年者は、体格の変化とともに症状が軽くなることがあります。体重が増えると腹部の脂肪が増え、血管の圧迫が緩和されます。貧血を伴う重症例や症状が長く続く場合は、左腎静脈の移動術やステント留置などの手術を検討します。
馬蹄腎の治療
無症状であれば治療の必要はなく、定期的な経過観察を行います。尿路感染症、結石、水腎症などの合併症があれば、それぞれに応じた治療を行います。合併症を早期に発見するため、定期的な検査が大切です。
膀胱尿管逆流症の治療
軽度(グレードⅠ~Ⅲ)の場合は経過観察が基本です。尿路感染症を予防するため、抗菌薬を少量ずつ継続して服用することもあります。成長とともに自然に治ることが多く、特に低グレードでは高い確率で改善します。
重度(グレードⅣ~Ⅴ)の場合や、感染を繰り返す場合は手術を検討します。内視鏡で尿管の出口に物質を注入する方法や、尿管を膀胱に繋ぎ直す手術があります。腎臓を守るためには、適切なタイミングで治療を行うことが重要です。
