糖尿病性腎症について
透析導入原因の第1位です

糖尿病性腎症は、糖尿病性網膜症、糖尿病性神経障害とともに糖尿病の三大合併症の1つです。高血糖が長期間続くことで腎臓の細かい血管が傷つき、腎機能が徐々に低下していきます。
現在、透析導入の原因疾患として第1位を占めており、透析を始める方の約40%が糖尿病性腎症によるものです。糖尿病患者の約30~40%が糖尿病性腎症を発症するとされています。
一度発症すると完全に治すことは難しい病気ですが、早期発見と早期治療で進行を遅らせることができます。自覚症状がないまま進行することが多いため、定期的な検査が重要です。まずは一度、大阪市城東区今福鶴見のかねみつクリニックへご相談ください。
こんなお悩みはありませんか?
- 糖尿病で治療中だが腎臓への影響が心配
- 健診で微量アルブミン尿を指摘された
- 尿蛋白が出始めた
- 足や顔がむくむようになった
- 血糖コントロールが良くない期間が長かった
など
糖尿病性腎症の病期の分類・症状
糖尿病性腎症は、尿中アルブミン・蛋白尿の程度と腎機能(eGFR)によって第1期から第5期に分類されます。早期の段階で発見し治療を開始することが、進行を防ぐために非常に重要です。
| 病期 | 名称 | 尿蛋白・アルブミン | 腎機能(eGFR) | 主な症状 |
|---|---|---|---|---|
| 第1期 | 腎症前期 | 正常 | 正常 | 自覚症状なし |
| 第2期 | 早期腎症期 | 微量アルブミン尿 | 正常 | 自覚症状なし |
| 第3期 | 顕性腎症期 | 持続的な蛋白尿 | 低下し始める | 自覚症状なし~軽度 |
| 第4期 | 腎不全期 | 大量の蛋白尿 | 著しく低下 | むくみ、倦怠感、貧血 |
| 第5期 | 透析療法期 | — | 透析が必要 | 強いむくみ、倦怠感、貧血など |
早期発見がカギです
第1期・第2期は自覚症状がなく、尿検査で微量アルブミン尿を調べることで発見できます。この時期に治療を始めれば、進行を遅らせたり、改善させたりすることが可能です。
第3期以降は進行に注意
第3期(顕性腎症期)以降は、腎機能の低下が進むと元の状態に戻すことが困難になります。血糖値と血圧の厳格な管理が必要です。
他の合併症との関連
糖尿病性腎症は糖尿病性網膜症を合併していることが多く、眼底検査も重要です。また、心血管疾患のリスクも高くなります。
糖尿病性腎症の原因
高血糖による腎臓の障害
高血糖が続くと、腎臓の糸球体にある細かい血管が傷つきます。初期には過剰濾過(糸球体過濾過)という状態が起こり、腎臓が働きすぎる状態になります。時間が経過すると糸球体の濾過機能が障害され、徐々に腎機能が低下していきます。
リスクを高める因子
血糖コントロールが不十分でHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)が高い状態が続くことが最大のリスク因子です。高血圧の合併、脂質異常症、喫煙、肥満もリスクを高めます。糖尿病の罹病期間が長いほど腎症の発症リスクは上がります。遺伝的な要因も関与していると考えられています。
2型糖尿病と1型糖尿病
糖尿病性腎症は2型糖尿病の患者様に多くみられます。1型糖尿病でも発症しますが、発症までの期間や経過が異なることがあります。
糖尿病性腎症の検査・診断
尿検査
早期発見には微量アルブミン尿の検査が重要です。第2期の指標となり、この段階で発見できれば進行を防ぐことができます。第3期以降は持続的な蛋白尿が認められます。
血液検査
HbA1cと血糖値で血糖コントロールの状態を確認します。クレアチニンとeGFRで腎機能を評価し、脂質や電解質も測定します。
その他の検査
超音波検査(エコー検査)で腎臓の大きさや形態を調べます。眼底検査で糖尿病性網膜症の有無を確認することも、腎症の評価に役立ちます。
定期検査の重要性
糖尿病の患者様は年に1回、微量アルブミン尿の検査を受けることが推奨されています。異常が見つかった場合は3~6ヶ月ごとのフォローアップが必要です。
糖尿病性腎症の治療方法
血糖管理
最も重要なのは血糖のコントロールです。HbA1c 7.0%未満を目標としますが、個々の状態により調整します。第3期以降では急激な血糖改善は逆効果になることがあるため注意が必要です。経口血糖降下薬やインスリン治療を行います。SGLT2阻害薬は腎保護効果が認められており、第2期から使用できます。
血圧管理
目標血圧は130/80mmHg未満です。降圧薬はACE阻害薬やARBが第一選択で、腎保護効果と蛋白尿減少効果が期待できます。
生活習慣の改善
食事療法では塩分制限を行います。蛋白質制限は病期に応じて調整します。適正体重の維持、適度な運動、禁煙も大切です。
脂質管理
スタチンなどの薬剤で脂質を適切に管理します。
病期に応じた治療
第1期から第2期では、厳格な血糖管理と血圧管理で進行を防ぐことができます。第3期以降は腎臓を保護することを重視した治療に切り替えます。第4期から第5期では、透析への準備や透析導入の時期を検討します。
定期的なフォローアップ
腎機能と蛋白尿の推移を継続的にチェックし、早期に変化を捉えて治療内容を調整します。
