ループス腎炎について
若い女性に多い自己免疫性の腎疾患です

ループス腎炎は、全身性エリテマトーデス(SLE)という自己免疫疾患に伴う腎障害です。SLE患者の約半数が腎障害を合併するとされています。
若い女性に多い病気です
20~40歳代の女性に多くみられ、男女比は約1対10です。本来は外敵から体を守るはずの免疫システムが誤作動し、自分の体を攻撃してしまうことで発症します。
重症度に応じた治療が必要です
蛋白尿、血尿、腎機能低下が主な症状です。軽症から重症まで幅広い病態があり、適切な治療を行わないと腎不全に進行することもあります。早期発見と適切な治療が重要ですので、気になる症状がある方は大阪市城東区今福鶴見のかねみつクリニックへご相談ください。
こんなお悩みはありませんか?
- 尿蛋白や血尿を指摘された
- 足や顔がむくむ
- 関節痛がある
- 顔に蝶形の発疹がある
- 繰り返し発熱がある
- 口内炎ができやすい
など
腎臓の症状
蛋白尿、血尿が主な症状です。むくみや高血圧を伴うこともあります。重症例では急速に腎機能が低下することもあり、ネフローゼ症候群を呈することもあります。
腎臓以外の症状(SLEの症状)
ループス腎炎は全身性エリテマトーデス(SLE)の一部として現れます。関節痛、発熱、頬にできる蝶形紅斑という特徴的な発疹、光線過敏症、口内潰瘍、胸膜炎や心膜炎などの漿膜炎を伴うことがあります。
ループス腎炎の原因
自己免疫疾患が原因です
SLEという自己免疫疾患が原因です。免疫システムが誤作動し、自分の体を攻撃する抗体(自己抗体)を作ってしまいます。この免疫複合体が糸球体に沈着し、炎症を引き起こします。
発症に関わる要因
遺伝的要因に加え、紫外線やウイルス感染などの環境要因が関与しています。女性ホルモンも発症に影響しており、若い女性に多い理由の1つと考えられています。
ループス腎炎の検査・診断
尿検査
蛋白尿と血尿の有無、程度を確認します。
血液検査
抗核抗体、抗DNA抗体が陽性となり、補体(C3、C4)が低下することが特徴的です。クレアチニンとeGFRで腎機能を評価します。
腎生検
確定診断とクラス分類には腎生検が必須です。クラスによって治療方針が大きく異なるため、非常に重要な検査です。腎生検が必要な場合は、連携医療機関へご紹介いたします。
クラス分類
腎生検により6つのクラス(Ⅰ~Ⅵ)に分類されます。クラスによって重症度と治療方針が異なるため、腎生検による確定診断が重要です。
SLEの診断基準
腎臓の症状だけでなく、SLE全体の診断基準を満たすかどうかも確認します。
ループス腎炎の治療方法
クラスと重症度に応じた治療
ステロイド(プレドニゾロン)が基本的な治療薬です。重症例ではステロイドパルス療法(大量のステロイドを点滴する治療)を行います。
免疫抑制薬
シクロホスファミド、ミコフェノール酸モフェチル、タクロリムスなどの免疫抑制薬を使用します。クラスや重症度に応じて薬剤を選択します。
生物学的製剤
最近ではベリムマブなどの生物学的製剤も使われるようになっています。
対症療法
血圧の管理にはACE阻害薬やARBを使用します。むくみには利尿薬を使用します。
生活上の注意
紫外線対策が重要です。感染症の予防にも注意を払います。定期的に腎機能と尿蛋白をモニタリングし、治療効果を確認します。
専門医療機関との連携
腎生検や専門的な治療が必要な場合は、連携医療機関へご紹介します。治療後のフォローアップは当院で対応できます。
菲薄基底膜病について
菲薄基底膜病は、糸球体の基底膜が生まれつき薄いことによって血尿が出る病気です。良性家族性血尿とも呼ばれます。
予後良好な良性の病気です
持続性の顕微鏡的血尿が特徴ですが、腎機能は正常に保たれ、進行することはほとんどありません。生涯にわたり腎機能が保たれる予後良好な疾患です。
家族性のことが多い病気です
遺伝性の病気で、家族に血尿の方がいることが多いです。健康診断で血尿を指摘され、精密検査で発見されることがほとんどです。
他の疾患との鑑別が重要です
IgA腎症やAlport症候群など、治療が必要な腎疾患との鑑別が重要です。持続する血尿がある場合は、一度詳しい検査を受けることをお勧めします。
こんなお悩みはありませんか?
- 健診で血尿を指摘された
- 家族に血尿の人がいる
- 自覚症状はないが尿潜血が続いている
など
持続性の血尿が特徴です
顕微鏡的血尿(肉眼では見えないが検査で検出される血尿)が持続します。肉眼的血尿が出ることは稀です。蛋白尿はないか、あってもごく軽度です。
腎機能は正常です
腎機能検査は正常で、腎機能が低下することはほとんどありません。高血圧やむくみなどの症状も通常みられません。
菲薄基底膜病の原因
遺伝子の変異が原因です
Ⅳ型コラーゲンの遺伝子変異が原因です。常染色体優性遺伝または劣性遺伝で受け継がれます。
基底膜が薄いことで血尿が起こります
基底膜を構成するコラーゲンが正常に形成されず、構造的に薄くなります。正常の約半分程度の厚さしかありません。この薄くなった基底膜から赤血球が漏れ出ることで血尿が起こります。
菲薄基底膜病の検査・診断
尿検査
血尿のみが認められ、蛋白尿はほとんどありません。尿沈渣で赤血球の形態を確認します。
血液検査
クレアチニンやeGFRなどで腎機能を評価します。菲薄基底膜病であれば腎機能は正常ですが、他の糸球体疾患との鑑別や、腎機能低下がないことを確認するために行います。
家族歴の確認
家族に血尿の方がいないか確認します。
腎生検
確定診断には腎生検が必要です。電子顕微鏡で基底膜の厚さを測定し、正常の半分程度の薄さであることを確認します。IgA腎症やAlport症候群との鑑別に重要です。
菲薄基底膜病の治療方法
特別な治療は必要なく、経過観察のみで十分です。定期的に尿検査と血圧測定を行います。蛋白尿が増えた場合は、他の疾患が合併していないか検査します。
定期的な経過観察
定期的に尿検査と血圧測定を行います。蛋白尿が増えてきた場合は、他の疾患が合併していないか検査します。
