メニュー

ワクチン接種後の精液変化

[2021.06.20]

過去のブログで新型コロナウイルス感染後に男性の精液検査に異常が生じるという複数の報告をお伝えしました。先日、新型コロナウイルスに対するmRNAワクチン接種後に精子の状態を調べたところ精液量の減少は認めなかった報告がありましたのでお伝えします。

対象と方法

アメリカのマイアミ大学で単施設の前向き研究が行われました。不妊症の基礎疾患やコロナ感染の既往が無い18-50歳までの健康な男性を対象とし、2020年12月から2021年1月までに45人が志願されました。2~7日間の禁欲後、1回目のワクチン接種前と2回目のワクチン接種から約70日後に精液サンプルを提出しました。

また45例中、21例(46.7%)がファイザー製ワクチンを接種し、24例(53.3%)がモデルナ製ワクチンを接種しました。

結果

・1回目接種前の精子濃度は2,600万/mL(四分位範囲:1,950~3,400)、総運動精子数は3,600万(同:1,800~5,100)でした。2回目接種後、精子濃度は3,000万/mL(同:2,150~4,050)、総運動精子数は4,400万(同:2,700~9,800)と有意に上昇し、精液量と精子の運動性も有意に増加し、ワクチン接種後に無精子症になった症例はありませんでした。

結論

mRNAワクチンが精子のパラメータに影響を与える可能性は低い。また各数値の増加は通常の個人差の範囲内である。

 

不妊の約半数の原因は男性側にあります。晩婚化に伴い女性だけでなく男性も不妊リスクが高くなるため最近では精液検査を希望する方も増えてきました。

ワクチンは病原体の遺伝情報を体内に入れるものですが、精子などの遺伝情報に影響を与えることはなく体内で分解され長期的に残るものではありません。しかしながらヒトの遺伝情報に悪影響を与えるという誤った情報が拡散しています。コロナウイルス感染後に精液所見が悪化したという報告と今回の報告を踏まえて、妊娠適齢期や挙児希望の男性側は正しい情報を選択することが重要ですね。

本日は以上です。

【参考URL】

https://www.carenet.com/news/general/carenet/52513

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34137808/

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME