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糖尿病がもたらす泌尿器科疾患

[2021.05.05]

糖尿病は現代の国民病と言われており日本においては11人に1人が罹患しています。その起源は古く、古代エジプト時代には認められていたようで、かの有名な藤原道長も糖尿病患者だったとか。。常に水を欲しては尿が絶えず出る状態で尿から蜜のような甘い匂いがすることから糖尿病と命名されていますが、実際は慢性的な高血糖に起因した様々な症状を引き起こす病気です。この糖尿病によって引き起こされる代表的な泌尿器科疾患をお伝えしようと思います。

慢性的な高血糖が神経障害を引き起こす

慢性的な高血糖は細胞内の代謝異常を引き起こします。とくに微小血管や毛細血管などの細い血管が障害されます。それが神経細胞への酸素や栄養不足を来たし神経障害を来すと考えられています。これを糖尿病性ニューロパチーといいます。糖尿病性ニューロパチーは手や足の感覚運動障害が有名ですが膀胱などの泌尿器科臓器も障害を受けます。ではどのように排尿障害を来すのかを見ていきましょう。

尿を溜める畜尿期と尿を出す排尿期のしくみ

膀胱に尿が溜まるとその情報は膀胱と脳を結ぶ求心性神経により伝わります。求心性神経が膀胱から脳へ上行する過程で身体は交感神経を優位にさせます。具体的には脊髄中の交感神経や体性神経が興奮し尿が溜まるように膀胱を弛緩させ、尿道括約筋を収縮させて尿が漏れないようにします。

いっぽうで尿がどんどん溜まると尿意が強くなります。排尿しなさいというシグナルは延髄の橋排尿中枢が担っており畜尿時は大脳がここを抑制させています。排尿を決意するとこの抑制が解除されます。そして先ほどまで興奮していた交感神経と体性神経の活動が抑制され脊髄中の副交感神経を興奮させることで尿道括約筋は弛緩し膀胱が収縮されて尿が排出されます。

糖尿病による神経因性膀胱は弛緩型が多い

求心性神経が障害されると尿意の自覚が低下します。それは排尿回数の低下に繋がります。自律神経が障害される場合には交換神経の障害が有意だと頻尿や尿意切迫感、尿漏れなどのおしっこを溜めることが難しくなる症状を来します。いっぽうで副交感神経の障害が有意になれば排尿困難や残尿感、尿閉(おしっこが出せなくなる状態)などを来します。

こういった状態を神経因性膀胱といいます。最初は頻尿を呈していても、最終的には尿意が低下し膀胱が伸びきったゴムのように収縮力を失う弛緩型のタイプとなることが多いです。

普段から排尿回数や尿量を意識しましょう

体格にもよりますが成人における初期尿意(おしっこをしたいと感じる最初の尿量)は150-200ml程度です。また最大尿意(もうこれ以上おしっこを我慢できない時の尿量)は400-500ml程度と言われています。

糖尿病治療中に尿意が鈍麻してきた、尿の勢いが無く長時間たらたらと流れる、尿の量が少なくこまめに行く、などの症状が出てきた場合は要注意です。

気づいた時には手遅れにならないように日頃から尿の状態を意識してください。

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