腎盂・尿管がん
腎盂・尿管がんについて
腎盂および尿管で発生する悪性腫瘍(がん)
腎盂とは腎臓で生成された尿が最初に流れ込む臓器で、その後、尿管を通って膀胱に蓄尿されます。腎盂・尿管がんとは、これら腎盂・尿管で発生する悪性腫瘍(がん)です。上部尿路がんとも呼ばれています。50~70代の男性に多くみられ、加齢にともない発生頻度は高くなります。
初期にはほとんど自覚症状はありませんが、進行してがんが大きくなると痛みを伴わない肉眼で確認できる血尿(無痛性の肉眼的血尿)が出る場合があります。
腎盂・尿管がんの主な症状
痛みを伴わない肉眼的血尿
腎盂・尿管がんの症状として多いのは、痛みを伴わない目で見て確認できる血尿(無痛性の肉眼的血尿)です。背中が痛むこともありますが、血尿が出るだけのことも少なくありません。自覚症状が少ないため、健康診断や別の目的で受けた超音波検査(エコー検査)やCT検査などで偶然発見されるケースもあります。
なお、がんが進行して大きくなり、出血し血液の固まりができて尿管が閉塞されると、水腎症と呼ばれる状態が起こり、がんが発生している側の背中やわき腹が痛むこともあります。
腎盂・尿管がんの原因
最大のリスクファクターは喫煙
腎盂・尿管がんの最大のリスクファクターは喫煙とされています。喫煙者と非喫煙者を比較した場合、腎盂・尿管がんの発症リスクは3倍程度違うと言われています。その他、発がん性物質への接触や慢性的な炎症も発症リスクを高めるとされています。
腎盂・尿管がんの検査・診断
腎盂・尿管がんかどうか診断するために、次のような検査が行われます。
尿検査
採尿して血尿や尿中のがん細胞の有無を調べます。
超音波検査(エコー検査)
がんや、がんによって尿路が閉鎖されて起こる水腎症という状態を診断するために、超音波検査(エコー検査)を行います。
その他、確定診断のために必要な検査
腎盂・尿管がんの確定診断のためには、造影剤を使ったCT・MRI検査、尿管鏡検査、逆行性腎盂造影検査などが必要になります。
これらの精密検査が必要な場合には、連携する専門機関をご紹介いたします。
腎盂・尿管がんの治療方法
手術など様々な方法を組み合わせて治療
腎盂・尿管がんに対しては、手術療法が主体となりますが、その他、放射線療法や化学療法などを組み合わせて治療していきます。腎がんにより尿路が閉鎖され腎機能の低下を招いている場合には、先にそれを改善するための手術(腎ろう手術)が行われる場合があります。
手術など専門的な治療が必要な方には、連携する医療機関をご紹介させていただきます。