当院における夜間頻尿の治療効果

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久しぶりのブログ更新となります。

本日は6月7日に地区内の先生方を対象に行った講演会のお話をさせていただきます。

発表演題は『夜間頻尿における治療』と『難治性過活動膀胱に対するボトックス手術』の2本で、夜間頻尿については夜間多尿を有する当院の患者についての以下のようなデータをお示ししました。

対象と方法

男性18名で女性11名、平均年齢は73歳(34-93歳)、治療前の夜間多尿指数は48.1%(40-60%)でした。夜間多尿指数とは夜間尿量/一日尿量(%)を表し、33%を越えると夜間多尿と定義されます。

全ての患者に対して夜間過剰な尿産生を抑制する薬剤(デスモプレシン)を投与しました。用量は25μgが15人、50μgが3人、60μgが11人でした。併存疾患として前立腺肥大症の投薬を受けていたのは11人で、過活動膀胱は15人でした。過活動膀胱治療薬は14人が膀胱容量を増大させるβ3作動薬を使用していました。

治療効果と副作用

投与前の夜間尿回数は3.51回(±1.06回)で投与後の夜間尿回数は1.55回(±1.06回)へと減少しました。

副作用は低Na血症が5名、動悸が1名、浮腫が2名でした。薬剤の中止は1名で、他は減量や内服日の調整などで継続可能でした。

結論

夜間多尿を有する夜間頻尿患者に対してデスモプレシンの有効性が示されました。一方で連日服用で低Na血症を来すことがあるため定期的な採血や身体チェックが必要だと認識しました。

仕事終わりでお忙しいにも関わらず泌尿器科以外の先生方を中心に集まっていただき大変有意義な講演となりました。

ボトックス手術については現在まで6例施行しました。そのうち3例の手術ビデオを供覧しながら、先生方の意見を頂き非常に参考になりました。こちらはもう少し症例が蓄積した後にブログでご報告する予定です。本日は以上です。

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