過活動膀胱

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過活動膀胱について

膀胱の異常収縮により尿もれ(尿失禁)や頻尿が起こります

過活動膀胱とは、“急に我慢できないような強い尿意(尿意切迫感)”を主とした排尿トラブルの1つです。ご本人の意思とは関係なく膀胱が収縮することで、突然、強い尿意が起こり、我慢できずに漏らしてしまったり、1日に何度もトイレに行きたくなったりします。
通常、膀胱は脳からの指令によりコントロールされていますが、何らかの原因で正常に機能しなくなった状態が過活動膀胱で、少量の尿が溜まっただけで異常収縮が起こり、尿意切迫感や尿もれ(尿失禁)や頻尿などの症状が現れます。

過活動膀胱の主な症状

尿意切迫感、切迫性尿失禁、昼間頻尿、夜間頻尿など

過活動膀胱では、主に尿意切迫感、切迫性尿失禁、昼間頻尿、夜間頻尿の4つの症状がみられます。

尿意切迫感

突然、我慢できないような強い尿意が起こる。

切迫性尿失禁

急に排尿したくなり、我慢できずに尿を漏らしてしまう。

昼間頻尿

昼間、何度もトイレに行きたくなる(8回以上)。

夜間頻尿

就寝後、トイレに行きたくなって何度も目が覚める(1回以上)。

過活動膀胱の原因

神経因性と非神経因性に分けられます

過活動膀胱は、神経因性と非神経因性に分けられます。

神経因性過活動膀胱

認知症やパーキンソン病、脳血管障害などの脳の神経の病気、また脊髄損傷や脊柱管狭窄症などの脊髄の神経の病気が原因で起こる過活動膀胱です。

非神経因性過活動膀胱

加齢による骨盤底筋の緩み、膀胱機能の変化、自律神経の乱れ、前立腺肥大症など、神経の病気以外が原因で起こる過活動膀胱です。

非神経因性過活動膀胱の場合、明らかな原因疾患がなく、原因を特定するのが難しいケースも多々あります(特発性)。

過活動膀胱の検査・診断

各種検査で排尿トラブルの程度を確認

尿もれ(尿失禁)や頻尿などの排尿トラブルの程度を確認するために、過活動膀胱症状スコア(OABSS)という質問票などを使って問診します。

問診後、尿検査、超音波検査(エコー検査)、残尿測定検査、尿流量測定(ウロフロメトリー)などの検査を行って過活動膀胱を診断します。

過活動膀胱の治療方法

薬物治療と行動療法を並行

過活動膀胱の治療では、基本的に抗コリン薬やβ3受容体作動薬などを使った薬物療法と、生活指導や膀胱訓練、骨盤底筋体操などを行う行動療法を並行します。

薬物療法や行動療法を少なくとも3ヶ月継続しても改善がみられない、または副作用などで治療の継続が困難な場合、難治性の過活動膀胱と診断されます。

難治性過活動膀胱に対して、当院では“ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法”を行っています。

ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法

「お薬を飲み続けても尿もれ(尿失禁)や頻尿が改善されない」「長年、泌尿器科に通院しているが、過活動膀胱が良くならない」とお悩みの方は、城東区・今福鶴見にあるかねみつクリニックへご相談ください。

当院では、難治性過活動膀胱に対して“ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法”を行っています。

ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法とは、膀胱の筋肉を緩めるお薬(ボツリヌス毒素製剤)を膀胱の筋肉へ直接注射する治療です。ボツリヌス菌を注射するわけではないため、ボツリヌス菌に感染することはありません。

ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法は米国や欧州などで行われている治療で、日本でも2020年4月に保険適用となりました。難治性過活動膀胱と診断された場合、保険適用で受けることができ、日帰り手術なので負担が少なくて済みます。

膀胱の筋肉へ20~30箇所、ボツリヌス毒素製剤を注射することで、異常収縮が抑えられ、突然起こる強い尿意(尿意切迫感)や、トイレまで我慢できずに漏らしてしまう(切迫性尿失禁)、昼間・夜間の頻尿などの症状の改善が期待できるようになります。